- 保育科
- 2023.03.17
- お知らせ
- 2022年度名古屋短期大学保育科 創作絵本コンクールの審査結果のご報告
-
2022年度名古屋短期大学保育科
創作絵本コンクールの審査結果のご報告
応募期間 2022年7月1日~11月30日必着(※一部、延期で受理)
応募資格 対象は高校生から大学・短大・専門学校生、保育現場で働く保育者の皆様
作品の賞 優秀賞1点 入賞2点以内 特別賞3点を選出しました。
※そのうち2点を絵本として出版し、受賞作品は賞状及び粗品を贈呈致します。選考方法 審査員による選考 大谷学長、吉見学科長、高田先生、保育科教員
<応募者の内訳>
学内応募者97作品 学外応募社166作品 合計263作品の応募がありました。
<審査の結果>
次の作品が選出されましたのでご報告いたします。なお、表彰式は優秀賞等に限定し、それ以外の賞につきましては、郵送等で賞状をお送りさせていただきます。この場をお借りしてお礼申し上げます。なお、下記の2作品(「みーちゃんのおてがみ」「きぃちゃんのなみだ」につきましては、2023年4月以降、(アマゾン等で購入できる)絵本として出版される予定です。
<2023年度のお知らせ>
2023年度の創作絵本コンクールは、2023年5月頃にホームページ等からお知らせさせていただきます。なお、今年度、各高校単位でご応募いただいた先生方にはご案内のメール、郵便等でお知らせさせていただきます。
優秀賞・絵本出版候補 246番「みーちゃんのおてがみ」
髙谷華音(たかや かのん)さん
(名古屋短期大学保育科2022年度卒業生)
書評:絵の描写や色の塗り方が素晴らしいです。ストーリー性がとても高く、物語に引き込まれる感じがします。
入賞・絵本出版候補 092番「きぃちゃんのなみだ」
寺田栞捺(てらだ かんな)さん
(愛知県立知立高等学校2年)
書評:画材の使い方や表情も工夫されていて良いです。お月さんが迷子になって悲しんだり、戸惑う気持ちが子どもに共感を呼ぶお話です。
入賞 256番「ミロクロのもり」
棚橋佑衣(たなはし ゆい)さん
(名古屋短期大学保育科2022年度卒業生)
書評:画材の使い方、表情の表現とても素晴らしいです。個性的な絵と内容で幻想的で不思議な世界観があります。
特別賞 002番「ぼくのゆめ」
蔭山幸奈(かげやま ゆきな)さん
(愛知県立杏和高等学校2022年度卒業生)
書評:絵や字がとても丁寧で綺麗です。物語は、夢というメッセージを込めた心温まる作品です
特別賞 035番「おさかなだいぼうけん」
白金満月(しろがね みづき)さん
愛知県立知多翔洋高等学校2022年度卒業生
書評:お魚や寿司の絵が非常に細かくて丁寧です。物語を通して想像の世界が広がります。
特別賞 137番「まままいご」
大脇梨琳(おおわき りり)さん
桜花学園高等学校2022年度卒業生
書評:彩色がとても工夫がされていて綺麗です。顔の表情も個性的で素敵です。「まいご」という少しドキドキするお話ですが、想像性が広がるお話になっています。
<総 評>
本学創作絵本コンクールにご応募いただき、ありがとうございました。今回は、全体で263作品の応募がありました。
どの作品も個性豊かで素敵な作品のため、候補者を選ぶのに戸惑いました。作品のテーマは、さまざまでしたがコロナ禍の影響で、手洗いとか健康とかをテーマにした作品も多くみられました。お話の内容は、ストーリー性のあるものから、なぞなぞのようなもの、読み聞かせを前提にして、やりとりを楽しむ作品など多様な内容でした。高校別にみると、高校ごとに特色があるように感じました。本コンクールのページ数は限定されていますので、その中でお話を作るのは大変ですが、子ども(読み手)に伝わるように絵コンテなどを書いて想像しながら作品を仕上げていくのは大切かと思いました。
主人公ですが、ゆうれいやスライム、○や△など記号化されたものを主人公にするケースもありました。本来、主人公は自由なのですが、人や動植物(できればクマやウサギ以外にも)、身近な生活道具等を登場させると子どもが感情移入しやすい気がしました。絵は絵の具でも色鉛筆でも良いのですが、薄い色でなく、原色で濃く描いた方がメリハリのついた絵になります。背景も(文字の部分以外は)、白地よりもできるだけ描いた方が楽しい絵本になります。あと、絵本は想像性、創造性を膨らませる世界が大切です。もっと自由に日常の枠を超えたもの、ドキドキワクワクするストーリーを考えても良いかなと思いました。
このコンクールの主旨ですが、作り手の方は、読み手である子ども(特に乳幼児)の育ちや気持ちに思いをめぐらせて作品を作って欲しいと考えています。その意味では、完成した作品の評価よりも、授業や本、実践などを踏まえて、作品を作る過程で子どもの発達を理解し、子どもの気持ちや思いに寄り添うことで学びを深めることも大切です。
たとえば、読み手の対象年齢を意識することも必要です。幼児期は文字が読めないお子さんがほとんどです。絵よりも文字でお話の流れを説明しようとされたり、難しい漢字を使ったりされると絵本、本来の楽しみが薄れてしまうかもしれません。せっかく素敵な作品なのに文字が邪魔をして残念に感じる作品もありました。
絵本は、芸術作品である一方、児童文化財という子どもが楽しめる保育教材でもあります。その意味では、絵の芸術性、物語のストーリー性、読み手の子どもへのメッセージ性など多様な審査の観点があることが審査の難しさでもあり、楽しさと考えています。
あと、絵本の題名も一工夫あると楽しいです。単純で平凡な題名よりも、インパクのある題名は、中身も楽しい作品が多いと思いました。
今回、受賞された作品以外にも、優れた作品はたくさんありました。応募された生徒、学生さんにとっては世界で一つだけの自分の絵本です。ぜひ、保育現場やご家庭などで活用していただければと願っています。
なお、応募作品のうち2作品は三恵社から出版の予定です。また、応募の際、本学の学生のみでなく、多くの高等学校の生徒様から、「家庭科」や「総合的探求の授業」の取り組みとして応募していただきました。ご協力いただいた大学、短大生の皆様、高校生の皆様、そして後押しをしていただいた高校の先生方にあらためてお礼を申し上げます。来年度も引き続きコンクールを開催させていただければと存じます。
ご報告は以上です。今後とも素敵な作品に出会うことを楽しみにしています。
2023年3月17日
名古屋短期大学保育科審査員
(代表)担当 吉見昌弘
過去の創作絵本コンクールの審査結果はこちら↓です。
2021年度名古屋短期大学保育科創作絵本コンクールの審査結果のご報告
2020年度名古屋短期大学保育科創作絵本コンクールの審査結果のご報告