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  • 2022.03.11
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2021年度名古屋短期大学保育科創作絵本コンクールの審査結果のご報告

2021年度名古屋短期大学保育科
創作絵本コンクールの審査結果のご報告

応募期間 202171日~1130日必着(当初10月末締切を延長)

応募資格 対象は高校生から大学・短大・専門学校生まで

作品の賞 優秀賞1点 入賞2点以内 特別賞1点(今回は2作品)を選出
 ※そのうち2点を絵本の出版します。受賞者には賞状及び粗品を贈呈致します。

選考方法 審査員による選考 大谷学長、吉見学科長、高田先生、保育科教員

<応募者の内訳>

学内応募者105作品 学外応募社238作品 合計343作品の応募がありました。
※昨年度は学内応募者138作品、学外応募者78作品の計216作品

<審査の結果>

 審査員による審査の結果、次の作品が選出されましたのでご報告いたします。なお、コロナ禍のため。表彰式は優秀賞等に限定し、それ以外の賞につきましては、郵送等で賞状をお送りさせていただく予定です。この場をお借りしてお礼申し上げます。なお、下記の2作品(「もじゃもじゃのおとしもの」「ふしぎなこころん」につきましては、20224月以降、(アマゾン等で購入できる)絵本として出版される予定です。


優秀賞(出版候補) 261「もじゃもじゃのおとしもの」渋谷萌乃さん

(桜花学園高等学校2021年度卒業生)

書評:もじゃもじゃがぽよんたちに助けてもらいながら落とし物を探すストーリーです。もじゃもじゃ本人が何を探しているのか分からないという設定が、わくわくします。また、最後の絵のシーンがとても素敵で、読み終わった時に暖かい気持ちになりました。絵を描く技法も工夫がされています。

pict-もじゃもじゃ表紙.jpg


入賞(出版候補)159「ふしぎなこころん」遠藤さくらさん

(愛知県立一宮商業高等学校2021年度卒業生)

 書評:こころんの姿(絵)がとても素敵でした。物語もシンプルですが、「ごめんなさい」を言うことの大切さと、それを後押しするこころんの存在が絵本を読んだ時に、子ども達の共感を呼ぶと思いました。

pict-ふしぎなこころん.jpg


入賞106「塔のある町」平栁志歩さん

(愛知県立豊明高等学校2021年度卒業生)

書評:塔の町に迷い込んだ二人が不思議な体験をするお話です。絵の芸術性では今回一番優れた作品です。幻想的な風景と少し怖いと感じるお話の流れの中で、子ども達が魅了される展開になっています。

pict-塔のある町.jpg


特別賞 257「パンダじゃないぼくたち」河合姫香さん

(桜花学園高等学校2021年度卒業生)

 書評:読んだ最初に、パンダの顔が個性的で印象に残る作品でした。ストーリーの最後に地球温暖化につなげるのは少し無理がありますが、それがまたおもしろいかも。起承転結も踏まえて話の流れをよく考えて作られた作品です。

pict-パンダじゃない.jpg


特別賞 43-「きょうはおべんとうのひ」石原嶺羽さん

(名古屋短期大学保育科2021年度卒業生)

書評:素直にストーリーがわかりやすく、おもしろいと感じました。子ども達の好きな食べ物をテーマにして、食べ物の種類も考えて決めています。最後に梅干しが消えてるところも・・・細部まで知恵を凝らした作品です。絵を描く技術はさらに勉強が必要かもしれませんが、それを越えるストーリー性とお話の工夫に驚きました。

pict-きょうはおべんとうのひ.jpg


<総 評>

 コンクールにご応募いただき、ありがとうございました。今回、全体で343作品と増加したことで、作品のご返却及び審査の作業に手間取り、結果公表が遅れて申し訳ありませんでした。ただ、どの作品も工夫を凝らした力作で候補の作品を選出するのに戸惑いました。

 作品のテーマは、さまざまでしたが、ストーリーについては、主人公が動物の場合、なぜかウサギとクマが多く登場してきて、他の動物たちにも出会いたいと感じました。また、単純に○とか□とか記号をテーマにされて、絵がシンプルすぎると評価が難しく感じました。話の流れで、最後に夢だったとか魔法使いや神様が登場して解決するというパターンも多く、否定はしませんが安易な流れになりがちだと感じました。

 自由な絵本の世界です。時にはハラハラドキドキしたストーリーや子どもらしい想像が広がるような世界観を示すことも楽しいと思います。絵を描く前に、絵コンテなどを作成し、何度もストーリーを練り直すことをおすすめします。

 絵の描き方については、登場人物が平面で正面を向いばかりの作品が多くみられました。横とか縦とか、上から見たり下から見たり、部分的に拡大したりなど絵を描く視点を多面的に捉えたり、奥行きのある立体感を感じるような描き方も良いかと思います。その一方で、あえて子どもらしく太い筆を用いて明暗のはっきりした色合いで雑に描くのもおもしろいかもしれません。また、絵を描く道具では、色鉛筆は描きやすく、準備も容易なため、多くの作品で使われていました。ただ、色鉛筆はしっかり色をつけないと、色合いが薄くなり、全体がぼんやりとした感じになります。特に遠目から読み聞かせをする絵本では、何が描かれているのか分かりづらいため、しっかり色をつけて、輪郭を黒線で囲うなどすると読みやすい絵本になると思いました。また、絵本は絵が中心なのですが、時々、文字が絵の真ん中にきて、絵の邪魔をしたり、文字で場面を説明しようと長文になってしまうケースもありました。絵本は、ある程度文字を読まなくても絵でストーリーが理解できるように工夫されると良いと思います。

 審査においては、絵の技法や芸術性は造形の先生、物語の展開については、保育現場の先生などに助言をいただきながら総合的に評価をさせていただきました。

 今回、優秀賞、入賞のうち2作品は三恵社から出版の予定です。また、応募の際、本学の学生のみでなく、多くの高等学校の生徒様から、家庭科や総合的学習の授業の取り組みとして応募していただきました。ご協力いただいた大学、短大生の皆様、高校生の皆様、そして後押しをしていただいた高校の先生方にあらためてお礼を申し上げます。来年度も引き続きコンクールを開催させていただければと存じます。

ご報告は以上です。今後とも素敵な作品に出会うことを楽しみしています。


                       2022年3月10日
                      名古屋短期大学保育科審査員
                        (代表)担当 吉見昌弘


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